スターダストレビュー│ライブツアー『還暦少年』の魅力を根本要さんにインタビュー
- 2019/1/16
- インタビュー&レポ
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スターダスト☆レビュー ライブツアー 還暦少年の真っただ中!
2019年6月9日に7年半ぶりとなる延岡公演も決定!ツアーの根幹となる待望のアルバム『還暦少年』の魅力や、今回のツアーの見どころや意気込み、宮崎への思いを伺った。
── 約4年ぶりとなる待望のオリジナルアルバム『還暦少年』が6月27日にリリースされましたが、このインパクトのあるタイトルのネーミングや、聴きどころ、思い等をお聞かせ下さい。
タイトルについては、僕が毎年、同級生とやっている新年会がきっかけ。去年の正月もみんなで集まったんだけど、同級生だからみんな還暦で、まぁ早生まれのヤツもいるけど…。口々に「俺は今年で仕事をあがる」とか、引退するっていう話になって。そんな中「カナメはいつまで歌うんだ?昔から遊んでるみたいでいいなぁ」って言われてね(笑)。確かに、こういう職業だから引退とか考えたことないし、俺が中学生の頃からバンド組んでて、それをたまたま職業にしてしまったような俺を知ってるから。「そっか、遊んでるっていうように見える俺らの音楽で、一緒に夢を見たり励まされたりする人もいる。ある意味、何か誇れるっていうか…、大切なのは、その遊び心とか少年みたいな気持ちじゃないかなって。それで思いついたのが「還暦少年」というタイトルだった(笑)。そのタイトルをメンバーや、今回、プロデュースに入ってくれた佐橋佳幸もとっても喜んでくれて!面白い、面白いって話になった。若干1名、柿沼が反対したけれど(笑)。このタイトルは、今、俺たちしかつけられないということを、スタッフ含め、メンバーも、佐橋も言ってくれたんで、これでいこうということになりました。
── アルバム『還暦少年』の聴きどころは?
デビュー37年で、このアルバムがベストも含めると39枚目のアルバム。正直に言うと、制作前は「もう、そんなに凄いアルバムは創れないだろうな」と思っていたけど、今回佐橋がプロデュースしてくれたおかげで、素のままのスタ☆レビを基本に、また新たなアルバムが作れたっていうのかな。アルバム作りって、時代であったり、ある程度はヒット曲を意識していくことも大事だけど、今回はほとんどそういうことを意識せず、とにかくスタ☆レビらしい音とは何ぞや、みたいなところでまるでデビューアルバムのように作れたアルバムじゃないかな。アルバムっていつも、自分たちの実力以上のものを望んだり、作ろうとしてたりするんだけど、そういう部分が全くなかった。本当にありのまんま。「スタ☆レビというバンドが素直に出れば、それだけで絶対いいアルバムになるんだ」と言う佐橋のアドバイスが一番いい形で出たと思うんだよね。メンバーも力むことなく、いい感じで力の抜けたナチュラルなアルバムができた。しかも、これまでのアルバムのどの色とも違う。スピリッツ的にはファーストアルバムに近いかもしれないけど、俺達が気づかなかったのか忘れていたのか、スタレビの中に元々あった魅力に、佐橋が光を当ててくれたんだ。
── アルバムを制作する上でのエピソードや、特に思い入れのある楽曲等があれば教えて下さい。
一番は佐橋の「褒め上手、乗せ上手」って部分だね(笑)。やっぱり、佐橋みたいな一流の人に誉められたら絶対その気になるよ。実際メンバーも、その言葉で自信をもってしっかり演奏できたし、全く滞ることなくあっと言う間にレコーディングが進行していった感じ。おそらく自分たちがこれまで作ったアルバムの中で、最初から最後までこんなスムーズに作れたアルバムはないんじゃないかな。さっきも言ったように、やっぱり最高のものを作りたいから、例えばデモテープが出来上がったら、それよりも絶対いいものを作ろうと、いろんな小細工をしたり変な力が入ったりするものなんだけど…。今回は佐橋と、こういうサウンドにしようとデモテープを作った時点で、半分出来上がっていて、後はメンバーがまんま演奏すれば自然とスタ☆レビ色が完成するイメージ。メンバーも変な無理をしないで済んだし、奇を衒うこともなく、すべてナチュラルに、あるべきところにあるべき音がある、それが今回のスタ☆レビの音なんだよね。俺達にとってもファンの方にとっても、興味深いアルバムになったと思うし、俺たちをよく知らない人にとってもスタレビを認識しやすいアルバムになったんじゃないかな。俺たちが1981年にデビューして、80年代、90年代、2000年代とどんどん世の中の音は変わってきたし、実際そういう音楽を意識してきた部分もある。だけど、今回はそういう意識がほとんどなかった。「元来俺たちの中にある音を、素直にちゃんと出せればいいんだ」と佐橋がアドバイスしてくれたんだよね。まぁ、35年を過ぎて、これまで続いてきたスタ☆レビの音を好きで聴いている人がちゃんといてくれているんだ、という自負もあったと思う。そこが圧倒的に今までと違うところで、できたものが自分たちの思った音に近いっていうか、思い描いていた音がそこにあったという感じ。それが一番嬉しかったですね。
── 思い入れのある楽曲は?
今回は本当に全曲思い入れがあるよ。あえて言うなら、1曲目の『海月~UMIZUKI~』かな。元々スローバラードで、俺の弾き語りだったんだ。それを聴いて佐橋が、「これ、もうちょっとテンポを上げて作ったら面白い雰囲気になるんじゃないか」と、亡くなったTom Pettyリスペクトでデモテープを作ってきて、それに多少アコースティック色を足したんだ。今もツアーでやってるけど、聴く度に味が出てくるっていうのかな?元来、バラードに使おうとしていたメロディーだから、起伏のあるいいメロディーだとは思うんだけど、それがシンプルなビートの中ですごく面白い雰囲気を作っている。決してバラードではないんだけどバラードっぽくも聴こえる。聴けば聴くほど、なんか後を引く曲でしょ。それから4曲目の『路傍の歌』もいい曲だと思うんだ。自分なりに60歳になって、それぞれに抱えることも20代や30代の頃とは全く違う悩みがあって、今の自分だから、今の年齢になったから歌える歌だと思うし、歌詞だと思う。この歌詞は同級生にも誉められた(笑)。自分でもいい歌詞が書けたなぁって思ってます。
── 続いてはライブツアー『還暦少年』につきまして。昨年10月からスタートしましたライブツアー『還暦少年』についての見どころなどをお聞かせ下さい。
実は最近のスタ☆レビの常として、出来るだけいろいろなものを観せようという思いがあって、新しい曲をやるときに、既存の曲にどう混ぜるか結構苦労することが多かったんだ。ところが今回のツアー、アルバムの曲をほとんどやってるんだけど、各曲の色が強い分、ちゃんと存在感を見せられるというか、混ざらない良さをちゃんと聴かせられてる。通常、ツアーの進行の中で、新曲というのはお客さんの馴染みがない分、多少浮くんだけど…。それが今回のツアーはその「浮き」がいい感じに流れを作ってる。新鮮なのにナチュラルというか、全体の半分近く、新しいアルバムの曲をやっているのに流れがとてもいい!お客さん達も、新曲も既存曲もとてもいい起伏で聴いてもらえるツアーになってます。普通なら、馴染みのない新曲は多少なりとも、お客さんにとっては少しの距離を持ってしまう物なんだけど、それを感じさせない。今まで十公演以上を終えているけど、アンケートの良かった曲の中に新しいアルバムの曲を書いている人が圧倒的に多くて。新曲を聴けた喜び、新曲がセットリストの中であるべき位置にある、ちゃんとクローズアップ出来ているというのが、今回のツアーの新鮮さだし醍醐味ですよ。例によって「3時間を越えるステージが一瞬に感じた」という有り難い反応を頂いています。実は演奏している自分たちもそうなんだ。今までスタ☆レビのライブは、様々な段取りやシチュエイションをMCで繋いでいく形だったのだけど、今回は舞台セットやスクリーンを使った演出で、とてもスムーズに展開できて、気がつけばあっという間にアンコールになってる(笑)。非常にわかりやすいステージだね。舞台演出が絶妙に繋がれていて、綺麗に時が流れていく。飽きないし、すごく良く出来たステージだよ。あえてネタバレしちゃうけど、テーマは“遊園地”、本当に遊園地でジェットコースターに乗っているように、右に行ったり、左に行ったり、景色を楽しんだり…。観てもらったら、その感覚を味わってもらえると思います。
── 宮崎での公演は2019年6月9日の延岡公演とまだ少し先で今から待ち遠しくて仕方ない限りなのですが…。延岡での公演は2011年11月26日以来、実に7年半ぶりとなります。そんな延岡公演への意気込みを教えてもらえますか?
延岡公演楽しみだね。久々に観るスタ☆レビはさらにパワーアップしてますし、初めての人も構えず自然に楽しんでもらえると思います。延岡7年ぶりかぁ。町(会場)というのは、1度目より2度目、2度目よりも3度目というように回数を重ねるほどに、その町との距離が親密になっていくもの。久しぶりに会える街の人達と、そして初めてご覧になる人達、みんな一緒にスタレビを楽しんでもらえたら嬉しいですね。とにかく今回のツアーは絶対面白い。是非お見逃しなく。
── 去年は要さんの体調不良のニュース等もあり、心配されていたファンの皆さんにとっては、要さんの元気な姿を見れる本当に嬉しいツアーだと思います。体調不良からの復活のお話を含め、ファンの皆さんへの思いを教えて頂けますか?
昨年3月に都城で野外があって、あの頃ちょうどアルバムの全貌が何となく見えて来た頃だったのね。レコーディング中のライブでもあったので、都城のライブはムチャクチャ楽しんだし、アルバムツアーで宮崎に行けることをすごく楽しみにしていたんだ。その後、アルバムも完成し、そのリリース直前くらいに脳梗塞が見つかって入院しちゃって、、。ご心配おかけして本当に申し訳ない。俺にとってはホント寝耳に水(笑)。還暦すぎても、好きな音楽を好きなだけやれていた生活の中で、ちゃんと気を付ける部分は気を付けなさいと言う警告をもらったんだね…。何がどう変わったということは一つもないのだけど、こういう前例を作ったことによって、自分自身も気を付けなくてはいけないし、スタッフやメンバー、何よりファンの人たちのありがたさも実感したよ。でも、これって誰にも起こること、どんなに気を付けていても、病気や怪我等は突然起こる。でも、それができるだけ起こらないよう、確率的にも低く持っていけるようなことを考えていかなくてはいけないんだよね。それが60歳という区切りの年だったから、余計に、いい警鐘を鳴らしてもらえたと思ってます。
── 昨年は、約20年ぶりとなる宮崎(都城)の野外ライブも実現し、宮崎はスタ☆レビにとって特別な地であるはず(?)と私も含め、多くのファンが強く思っているのですが…。そんな宮崎でのライブを今から心待ちにしている宮崎のファンに対するメッセージをお願いします。
昨年の野外ライブは3月の寒い時期だったけど、ジョイントライブとはいえ都城で出来たことはとても嬉しいことでした。それと同時に、そんな心待ちにしてもらっている野外を、宮崎市内でもフルで観せたいという思いが更に強くなりましたね。これからも、宮崎での単独野外ライブが出来るよう頑張っていきたいと思ってます。更にライブ好きのスタ☆レビとしては、都城で野外だけでなく、ツアーでもお観せしたいという思いもあります!
── 2019年の抱負は?
僕は毎年、新年の抱負とか考えたことないんです。いつでも、今やっていることがワンランク上がれるように自分で頑張ればいいと思ってます。僕らはアスリートとは違い、記録と戦っている訳ではなく、やっぱり自分なりの完成度を高めていければいいわけで。でも結局、その完成度には満点なんてものはないから、少しでもアベレージを上げられるよう工夫するばいいし、もし仮に100点に到達しても、人は120点を目指すんだと思います。デビューしてから38年、少しは成長出来たかな、10年前より昨年より多少は成長出来たかな。そんな実感を、2019年の年末にも感じられるようにしたい。抱負というよりは、2019年も今の自分が一歩でも高められたらいいかなと思っています。
2019年、また、さらにパワーアップしたスタ☆レビに会えるのが今から楽しみだ!
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