終わった瞬間から、次のライブが待ち遠しくなる。そんなスターダストレビューのライブは、まさにエンターティメント。楽曲のよさ、魅力はもちろん、全体を通して楽しめるそのライブのパワーには定評がある。約2年ぶりとなる待望のツアーは10月から。12月に宮崎、大分のでの公演も決定!!
根本要さんに話を伺った。
──5月、6月に2枚のコンセプトアルバム、泣けるスタレビの『Blue Stardust』、踊れるスタレビの『Red Stardust』の発売。そして、9月16日には待望のニューアルバム『太陽のめぐみ』が発売されるということで、スタレビファンにとっては嬉しい限り。そんなアルバムについてのお話を聞かせて下さい。
「まず、BLUEとREDの2枚のアルバムは、スタッフの思いでまとめてもらったコンセプトアルバムなんだよね。【泣ける】と【踊れる】というテーマもスタッフが見つけてくれて、僕らのいろんな時代のいろんな音を網羅してくれた。今、いろいろなオムニバスアルバムが流行る中、スタレビならワンアーティストでバラエティなアルバムができると感じてくれたみたいで、有り難い限りだよね。スタレビを聴いてみたいけど何から聴こう…、と迷ったり、少し興味を持った、っていう人が、最初に聴いてくれるにはとても適したアルバムだと思います。そこから例えば今回の『太陽のめぐみ』や以前のアルバムを聴きたくなってくれたら嬉しいし、さらにライブに行きたいと思ってもらえたらもっと嬉しいよね」
──そう。その待望のニューアルバム『太陽のめぐみ』がいよいよ発売されますが、どんな仕上がりになっていますか。
「僕にとってはおそらくこんなにスムーズに曲ができて、納得度も高かったことは少ないかも。もちろん納得度って絶対100にはならないけれど、自分が理想とする音にかなり近いところで作れたんじゃないかなぁ。メンバーのプレイも含めて、すごく素直に、今のスターダストレビューを端的に表せた。プラスちゃんとそこの中で次なるチャレンジ、冒険ができたことがこのアルバムの一番の面白さ。これまで、確実に僕らの音楽を聴いてくれてきた人たちには、より楽しさを感じてもらえると思うし、初めて聴く人にもとっても聴きやすいポップなアルバムができたと思ってる」
──これまで以上にこだわった部分は?
「ひとつは歌詞。僕らはデビューのときからあんまり詞とかにこだわらずにやってきて、80年代の半ばぐらいは作詞家の人に書いてもらったりもあったけど、ここ数年は自分たちで書くことが多くなったね。自分が50歳になって、さらに伝えたいことや言葉が見えてきた。伝えたいことがあるから、詞や曲が出来上がる。僕らにとっては、1曲1曲に思い入れが強いアルバムになりましたね。僕らをあまり知らない人にとっては、曲のテーマを知るだけでも聴きやすい面白いアルバムだと思うし、僕らをより知っている人にとっては、また新しいスタレビ!って言ってくれるアルバムだと思うんだけどね」
──すごく楽しみなアルバムに仕上がっているようですね。
「全体のコンセプトだったり、スターダストレビューというバンドが今おかれている立場だったり、あるいはみんなも…。やっぱり日々暮らしていく大変さとかあって、そんな部分も含めて、このアルバムには何か生きていく答えがいっぱいあるような気ががするんだよね」
──「太陽のめぐみ」というタイトルにはどんな思いが込められている?
「僕らは好きで音楽を始めて、ライブを始めて気がついたら20数年。いつの間にか全国ツアーができるようになって、そしてそこにたくさんの人たちが来てくれる。こういう繋がりってすごいことだよね。自分のできることをがんばってやってる内に、本当に自分たちの理想に近いことが出来てきてる。ありがたいことだよね。そんなときに「HOME」というドキュメンタリー映画を見てたら、太陽と地球が置かれている絶妙な距離が少しでも短かったり、長かったりしたら、おそらく地球には空気も、水も、生命も宿っていないだろうという話があった。太陽からめぐまれたこの場所で人が生まれ、文化を考え出し、音楽を作り出し、その音楽のコミュニケーションで繋がっていく。たまたまスタレビはそれを生業としているけど、楽曲1つ1つ出来上がっていくことも、それを聴いて楽しんでくれるお客さんにも、僕らが飯を食ったり寝たりできるこの地球にもね、すっごい感謝したいなと思ったんだ。僕らが音楽をやっていくこと、人と人が繋がっていくこと、この地球というこの星が、ちゃんとこう僕らにとって優しい状況を作ってくれていること、それを大切にしなきゃいけないんだっていう思い。環境問題とかエコの話とかいろいろ出てくる中で、そんな思いが強くなったからこのアルバムができたんだろうね。その答えっていうか、その俺たちの意志が【太陽のめぐみ】っていう言葉なんだよね」
──感謝のアルバム…、素敵ですね。全11曲、どれも大切な楽曲となったと思いますが、敢えてひとつエピソード等あげるなら?
「1つ1つ語っていくと、本当にそれなりのエピソードを持っているんだけど。野外イベントでも何度か演奏して、お客さんやスタッフに評判なのが「潮騒静夜」。これは作っているときからみんなの思い入れも強かったな。自分でもメロディを書いたときに、すっごい切なくっていい曲が書けたなと思ってたからね。中村中さんに作詞を頼んだンだけど、いつも恋にはいろんな障害がある。それでも人が人を好きになる尊さ。本当に自分がこの人を好きになって良かったって思える、好きになれるその気持ちの大切さ、喜びを書いてもらった。あなたがいるから私はこんなにもいろんなことを考えて、そしていろんな幸せを自分の中で考えられるようになったっていう「潮騒静夜」はなかなか泣けるいい歌です。
──それとは対照的に「ニッポンの汗」という曲は、元気が出そうなイメージのするタイトルですが。
「これはお客さんと一緒に歌いたくて、みんな頑張ってるよなぁ~っていう歌を作ろうと思ったんだ。あなたの汗がニッポンを支えてるんですってね。スタレビも一年中ライブやってて、現場主義。やっぱり働いて汗をかくって尊いだよね。次のライブでもお客さんと一緒に歌いたい曲です。 作風的に言えばね、今回凝った曲が多い中で、この曲は一つのコード進行しか使ってない珍しい曲。こういうシンプルな曲がかけたことは、今回のアルバム製作の曲作りにおける、自分なりの達成感を感じてますね」
──では、ぜひみんなで歌うのが楽しみなツアーについて聞かせて下さい。
「今回も10月からの長丁場で全国をまわります。いつもそうだけど、選曲難しいンだよね。夏の野外も何カ所かあるけど、やっぱり多くの県ではアルバムの時しか行けないわけでしょ。当然「太陽のめぐみ」を中心とは言いながら、やっぱり代表曲もたくさんやりたいわけ。だってその曲を聴きたくて来てくれる人もいるからね。いつも「新鮮さと、いつもさ」、このバランスを大事にしてます。聴きたい曲が聴けないさみしさ、当然やるだろうと思う曲をやらないさみしさをできるだけ少なくしていきたいよね。そして太陽のめぐみという言葉通り、何かを育んでいきたい。それは俺たちだけで作り出していくものじゃなく、お客さんと一緒に作り出していくもの、それが僕らにとってのライブだし。収穫であり、めぐみだよね。音楽のめぐみを一緒に作って行きたいなと思ってます」
──宮崎、大分はクリスマスシーズンということで別な楽しみも?
「当然ですよ、誰にとってもそういうアニバーサリーは嬉しいものだしね。楽しくお祭り的に、お祭りってだいたい何かの収穫祭だったりするわけでしょ。そういう意味では、クリスマスも含め、お祭り騒ぎで楽しみたい、楽しんでもらいたいですね」
──前回のツアーから約2年ぶり。久しぶりの感じは?
「今回はだいたいどこも、みんな1年半から2年ぶりくらい。08年の年末にアカペラアルバム「Always」創ったりで、少し時間が空いた分、たっぷりあれもこれもで楽しんでもらえたらなぁとは思ってるよ」
──私も含め、宮崎のスタレビファンはみんな勝手にスタレビはすごい宮崎に近い、と思いこんでる方が多いと思うんですが。実際にそういう思いは?
「もちろん、あるよ!! だってシーガイアの夏の野外ライブが、スタレビの野外ライブのきっかけを作り出してくれたようなものだからね。言葉は変かもしれないけど、東京、大阪のような大都市は人口も多いから、チケットがソールドアウトするのも当たり前かもしれない。でも、それと同じように宮崎とか島根とか、沖縄とか…。そういう町が盛り上がってくれるのはとっても嬉しいよ。そんな風に俺たちを好きでいてくれるんだーっていう町が、スターダストレビューのツアーを育ててくれたような気がする。だから今回、クリスマスっていう特別な時期に宮崎行けることも、また俺たちの楽しみのひとつです」
──本誌は、宮崎の頑張る女性に活力充電というコンセプトでお送りしているのですが、そういった頑張る方へアドバイスを!!
「人は実力以上のことはできないと思うわけ。自分が思っていた以上にうまくいってる時は、誰か他の人が頑張ってくれてたりするんだよ。だからうまくいってるときこそ、すごく感謝をする。例えば自分の器を考えたとき、自分がお風呂桶くらいと思ってて水が半分しかなかったら満たされないと思う。でも、自分の器を洗面器くらいにしたらさ、目一杯に入るわけ。そして、その内にまたその器のサイズを上げればいいんだ。最初から大きな器を持つよりは、今は自分はこの程度だ、じゃあさらに風呂桶になるように、もっと大きなプールになるように頑張ればいい。階段でもそう。1段ずつならきれいに体重移動できるのに、3段ポーンと上がると、次の1歩が姿勢崩れてうまく上がれない。自分たちの歩幅で1歩ずつ、頑張るほうが結果うまくいったりする。スターダストレビューは28年間、だからこそやってこれた気がする。きっとこの方法論は俺たちにとっては間違えてなかったんだろうと思うし、それは僕らを見てくれてれば分かってもらえるかな、と思います」
──スタレビをずっと好きだったお母さんやお父さんが子どもさんとライブにくる、というような光景を見ることが多いと思うのですが。
「ありがたいことですよね。ヒット曲はないけど、いつも同じスタンスでなんとなくみんなのそばにいる、そんなバンドなんでしょうね。お母さんやお父さんと子どもさんが同じ曲で盛り上がってるってすごいことですよ。」
──最後に今度のツアーを楽しみにしてらっしゃるファンへメッセージを!!
「ライブというのは、そこにお客さんがいてくれるから成立するわけで、僕らもそんなお客さんと一緒に楽しみたくてライブをやってます。初めて見に来てくれる人、あるいはいつも来てくれる人、いろいろいらっしゃると思うんだけど!! とにかくスターダストレビューの場合は、そのに着席してくれたら、あとはもう本当にジェットコースターが動きだすように、いろんなところを巡っていくからね。だからまだ体験したことがない人は、ぜひ一度客席に座ってみてください!!
まさに、一度体験した人は、また行きたくなるスタレビのライブ。楽しみに待っています!!
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。