【KIRISIMA】Shochu Club Vol.121 熱田 陽子さん
- 2019/7/10
- 今月のゲスト
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作り手の想いを伝え
使う人をオシャレに輝かせる
物語が紡げる一品を届ける
Monthly Guest vol.121
熱田 陽子
株式会社 バッグのあつた 代表取締役
Profile
宮崎市出身。宮崎西高校卒業。大妻女子大学卒業後、帰郷し株式会社熱田本店に入社。店長、バイヤー営業部長を歴任。夫の転勤で県外の赴任地へ一緒に行きながらも、法人・学校・行政等の外商法人交渉担当としてキャリアを積む。
2006年宮崎へ戻り営業部長に。2013年代表取締役社長に就任。2児の母
「ランドセルは単に教材を入れて運ぶだけの道具ではありません。日本のランドセルは、通学する子ども達の小さな体を守るのに適したデザイン構造になっているのです。6年間子どもの成長を支えるランドセルを、祖父母やご両親に囲まれて選ぶ。こうしたランドセル記念日は、大人になったときに愛情を受けて育った証として思い出されます。日本の職人はその想いを受け継ぎ一針一針に魂を込めて作りあげているのです」。そう熱く語るのは株式会社バッグのあつた社長の熱田陽子さん。創業から約90年になる老舗バッグ専門店の3代目。
大手量販店やネットショッピングでモノが手軽に手に入るようになり、地元の専門店がどう生き残っていくかの岐路に立った時、ランドセルを専門に取り扱うというチャレンジに出た。原価が高く、毎年新デザインが出るランドセルを大々的に扱うことは賭けだった。業界内からは「止めた方がいい」と冷ややかな目で見る人が多数を占める中、勝負に出た。「商品を置いていれば売れるという時代ではない。思い出に残る商品を、心を込めて販売する店でありたい。作り手の想いを伝えていきたい」という強い信念があった。
従来のカバン専門店に加えキッズ事業として2016年福岡に、2017年には宮崎にショールームを開店。キッズコーナーを設け、入園・入学、通園・通学に欠かすことのできないバッグ類から、日用品や文具、アパレルまでを販売する店舗展開を始めたのだ。厳しい船出だったが、ぶれることのない信念と頑張る後ろ姿に従業員たちも力を注ぎ、事業は軌道に乗ることができた。
女性社長であり2児の母でもある。子育て真っ只中での社長業は多忙を極める日々。「やりたいことを挙げたらきりがないので、優先順位を決めて物事を進めます。私にとって大切なのは家族、仕事、仲間です。従業員も家族。だからできる限り、自分の想いを言葉で伝えるようにしています。社長って自分だけ儲けたい、良ければいいという考えではダメ。私は、みんなの給料を倍にしたいから毎晩どうすればいいかを考えている。だから、みんなも一緒に考えて欲しいということを伝えるのです。そうすることで一緒に頑張ってくれる。ランドセルが軌道に乗れたのもスタッフの力があったからです」。
時代が激変するなか、子育てをしながら老舗を守り続けることの大変さに何度もぶち当たってきた。幼い子どもを残し、海外出張へ行かなければならないことも多々。寂しい思いを必死にこらえ「ママ、頑張って」と笑顔で見送ってくれる子どもを背に「失敗するわけにはいかない。我慢してくれる子どもたちのためにも頑張らなくては」と自分を奮い立たせてきた。「私のような家業を引き継がなくてはいけない人は、マイノリティだとずっと孤独に思っていたのですが、実は宮崎には同じような立場の人がいっぱいいました。そういう仲間と苦労を分かち合えることも、とても力になっています」。
毎日を全力で走った後は、焼酎でしばしのゆったり時間を持つようにしている。「焼酎をその日の気分で水割りやお湯割りでいただきます。中でも黒霧島が好きです。トロッとしたコクと香りがいいですね」。 最近とても嬉しいことがあった。オシャレに無頓着だというお客様がオリジナルのレザーのスマホカバーを購入した。「『これ一つを持っただけでオシャレですねと言われた』と、とても嬉しそうに報告してくださったのです。心を込めて作られたモノには、作り手から始まるストーリーがあります。その思いを使い手へつなぎ、ストーリーの続きが展開していく。そうした愛情がこもったモノをこれからもずっと届けていきたいです」。
県外客からも愛されている
宮崎を代表する
新鮮な地鶏と焼酎を味わえる店
木とブラックでデザインされた和モダンな建物。ここは、もも焼きやチキン南蛮をはじめ、希少部位の焼き鳥、鳥刺しなど宮崎ならではの郷土料理が味わえる店「地鶏炭火焼 粋仙(すいせん)」。100種類を超える本格焼酎と地ビールが揃うのも魅力のひとつ。1階フロアはカウンターとテーブル席が並び、豪快にあがる炭火をライブで見ながら地鶏や焼酎が味わえる。2階フロアはシンプルかつおしゃれな空間で、ゆっくりと時間を過ごすことができる。宮崎駅の高架橋下から2018年に移転。県外客からも好評の人気店だ。
今月のゲスト・熱田陽子さんは「県外のグルメな方も自信を持って招待できる店です。中でも地頭鶏の炭火焼は飲み込むタイミングを忘れるほど、柔らかくて美味しい」と絶賛する。その地頭鶏の炭火焼きは、朝じめの新鮮なみやざき地頭鶏のもも肉を備長炭で豪快に燻したもの。肉が持つ旨みを丸ごと閉じ込め、味付けは塩コショウだけ。噛めば噛むほど旨みが口の中に広がっていく。ほか、みやざき地頭鶏の鶏刺しやチキン南蛮など鶏料理が揃っている。知る人ぞ知る人気店なので、予約をすることをお薦めする。
▲「みやざき地頭鶏 炭火焼 もも(大)」1480円(税別)、「〈宮崎名物〉チキン南蛮」800円(税別)、「日向夏のカルパッチョ」780円(税別)、「カモスモークのポテトサラダ」400円(税別)
地鶏炭火焼 粋仙(すいせん)
- 住所 宮崎市広島2-11-3
- 電話番号 0985-23-1588
- 営業時間 17:00~23:00(LO22:20)
- 定休日 不定休