ピアノの音色とともに心に響く美しい歌声。聡明な印象の彼女に憧れを持つ女性は多い。そんなアンジェラ・アキさんの魅力の秘密に迫るべく、2月25日にニューアルバム「ANSWER」をリリースし、「Concert Tour 2009 ANSWER」を控えた彼女に話を伺った。
──アンジェラさんといえば、やはりピアノが魅力のひとつ。ピアノを始めたのは何歳からだったのか? きっかけは何だったのか? また、ピアノの弾き語りへのこだわりを尋ねてみた。
「ピアノを始めたのは3歳からです。徳島の山深い場所に住んでいたので近所にピアノ教室もなく、ピアノがある近所のお家で、おばさんに教えてもらったのがきっかけですね。私にとってピアノは人生を片時も離れずに過ごしてきた真のパートナーです。そんなパートナーであるピアノと“二人”だけで演奏するのが私にとっての弾き語りで、最もシンプルだからこそ、自分の感情を素直に表現できるのです」(アンジェラ)
──パートナーであるピアノとの“二人きり”の演奏。それこそがアンジェラさんにとっての弾き語りというスタイル。そんなアンジェラさんのピアノに対する思いの込められた弾き語りだからこそ、聴く人の心に響くのかもしれない。
昨年のNHK紅白歌合戦の演奏曲であり、ゴールド・ディスクも獲得、大ロングセラーとなった『手紙~拝啓 十五の君へ~』はその歌詞と、ときに優しく、ときに力強さを感じるピアノのメロディーが心に響いてくる一曲。アンジェラさんにとってこの曲は、どんなものなのだろうか?
「『手紙~拝啓 十五の君へ~』という曲は、もともと自分のシングル用ではなく、NHK合唱コンクールのために書き下ろした楽曲だったんです。しかも、自分の30歳の誕生日に、十代の頃の自分が書いた手紙が届いたことだったり、いろんな偶然が重なって生まれた、必然の曲だったような気がしています」(アンジェラ)
──心に響く曲、詞で聴く人を惹きつけるアンジェラさんだが、曲作り、詞作りはどのように行っているのだろうか?
「私は人生で壁にぶつかったとき、いつも曲を作って答えを見つけていこうとしています。でも最近、結局、何曲つくってみても、中々答えは見つけられないのだなと思うことがあります。仕事とか恋とか人間関係の答えって、つかみかけたと思った瞬間に、手のひらからすべり落ちていってしまうんですよね。でも、答えって、見つからなくても、探し続ける過程に意味があるのかなって思っています」(アンジェラ)
──2月25日に発売されたニューアルバム「ANSWER」には、そんなアンジェラさんの思いが込められているのかもしれない。
「私は何かの“答え”を探すために曲を作ってるような気がしていて。そういうところから、この『ANSWER』というタイトルが浮かびました。でもそれは、このアルバムや、ここに入ってる曲が“答えそのもの”という意味ではなく、“答えを探すための曲”なんですよね。探したけど見つからなかった答えっていうのも、たくさんありますし。でも、そうやって探し続ける中に、本当の答えがあるとも思うんです。だから、ここに収録した曲は1人の人間がアンサーにたどり着くための13通りのプロセスというか…。答えを探しているアルバムです」(アンジェラ)
──そんなニューアルバム『ANSWER』には、ベン・フォールズとの共作・共演曲『Black Glasses』も収録。『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』のカップリングとしてベン・フォールズの『スティル・ファイティング・イット』をアンジェラさんが日本語でカバー、フジロック・フェスティバル08出演のために来日していたベン・フォールズがそのカバーを聴いて惚れ込み、今回のコラボレーションが、実現したという、この曲についての思い、この曲を作ったときのエピソードは?
「フジロックに来ていたベンが私のカバーした『スティル・ファイティング・イット』を気に入ってくれて、移動中のバスの中で何回もリピートして聴いてくれていたようで、是非会いたいと言ってくれたんです。そしてお会いして、さらに意気投合しちゃって…。一緒に曲を作ろう! って話になったのです。それで、どんな曲にするかコーヒー・ショップで話し合い、2人の共通点を歌にしたいという思いから、こういう歌になりました。ただ、メガネというのは心の壁や人間が被る外ヅラの比喩なんです。それを外したり脱いだりして本当の私を見ても、あなたは愛してくれますか? ということを歌っています。コミカルに聴こえる部分もありますが、けっこう深いテーマだったりするんですよ」(アンジェラ)
──また、今回のアルバムには、2曲のカバー曲が含まれていますが、この曲に対する思いなどは?
「映画『ヘブンズドア』のマイケル・アリアス監督が『Knockin on Heavens Door』を主題歌にするため、英語をわかる人にカバーしてほしいということで、私の名前が挙がったらしいんです。もちろん英語のまま歌ってほしいと。でも、私はインディーズの頃から洋楽の名曲を自分なりの日本語でカバーしてきていて、ちょうどディランの曲をやりたいと思っていたんです。だから、オファーをいただいたときに、すかさず「日本語でやらせてください!」ってお願いしたのです。結果、監督もすごく気に入ってくれて!!「Were All Alone」はインディーズのミニアルバム「ONE」に収録していた曲ですが、何度もライブで演奏するうちに自分の中で楽曲が育って来た感じがしていて。この日本語詞は24歳の時に作ったもので、離婚したばかりの、本当に落ちてたときに書いた歌詞なんですね。それが、再婚した今でも、ここに書かれている気持ちがよくわかる自分がいて。一人になっても二人でいても、人間は結局ひとりなんだと気づいたときに、このアルバムに入れたいって思ったんです」(アンジェラ)
──そんな等身大のアンジェラさんを感じることができる「Concert Tour 2009 ANSWER」。どんなツアーにしたいか、テーマや意気込みを聞いてみた。
「今、まさにアイデアを練っているところなのですが、この『ANSWER』をひっさげて回るツアーなので、今までとはひと味違うこともやってみたいなと思っています。北は北海道から、南は沖縄まで53本にものぼるツアー、たくさんの皆さんとお会いできるのを心から楽しみにしていますし、一人一人の方と繋がって、一緒に『ANSWER』を完成させたいと思っています!」(アンジェラ)
──「Concert Tour 2009 ANSWER」。待望の宮崎公演は7月17日。宮崎のファンにメッセージをお願いします!!
「宮崎は前回のツアー『TODAY』で初めてお邪魔しましたが、会場の皆さんの熱気と、温かい雰囲気が素晴らしく、私にとって宮崎のステージは本当に忘れられないものになりました。今回のツアーでもお伺いすることが出来て本当に嬉しく思っています」(アンジェラ)
──女性として、アーティストとして輝き続ける彼女の魅力を生で感じられるステージは見逃せない!! あなたのANSWERを見つけるヒントはここにあるかも知れない。
※アンジェラ・アキのライブ情報は月刊Chargeにて。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。