【Charge】SPECIAL INTERVIEW ~GILLE~

東京で活躍する宮崎人を『みやざき大使のGILLE』が東京レポートする企画

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今回は、小林市出身で1998年には、世界最高峰とされる ハバナ国際ギター・コンクールで第2位及び 審査員特別賞(レオ・ブローウェル賞)を受賞し現在も世界で活躍する クラシック・ギタリスト 大萩康司さんにインタビュー! ギターの音色も間近で体感させていただき感動~~~~~! 同じ音楽家としての大萩さんのお話は、 私も共感させられることが多かったですし、 大変刺激になり勉強にもなりました。 そんな素敵な大萩大先輩にインタビューさせていただきました!

GILLE(以下G) 大萩さんの幼少時代は音楽とどう向き合っていたのですか?また、ギターとの出会いを教えてください。

大萩 康司(以下O) 4~5歳の幼少時代は音に興味があり、鳥の鳴き真似や、アニメソングを覚えたりと歌が大好きでしたね。小学校に入ってからは、音楽の教科書で音符の読み方を教えてもらったら、楽しくて楽器(リコーダー・鍵盤ハーモニカなど)をおもちゃ代わりに弾いていて、気が付いたら教科書1冊弾き終っていたりしていましたね。
そして、8歳になった時に、楽しくギターを弾いていた母の影響で僕もギターを弾くようになりました。その後萩原博先生率いるギターサークルに入り、10歳での学習発表会では、すでにソロで演奏していたのですが、友達が「大萩!おまえ!だれか後ろで弾いちょったやろう!」と言われて、それがちょっと嬉しかったですね。

G  それって、一人で弾いているように聞こえなかったという事ですね。生で観て、それ言われるって凄いですね~。 何の曲を弾いたのですか?

O  有名な「アルハンブラの想い出(F.タレガ作曲)」という曲です。

G  何でそこまでギターがうまくなったのですか?ギタリストになるきっかけは?

O  子供時代は、小児ぜんそくでスポーツがあまり出来なかったので、最初はその悔しい思いを音楽にぶつけていました。楽譜を読めるようになってからは、ギターが大好きになっていましたね。
そして、小学校4年の給食の時間に校内放送で自分の夢を語るコ―ナーがあって「将来何になりたいですか?」という質問に「僕はギタリストになりたいです」と言ったのが母に伝わり、九州男児としては「自分の言った発言に責任を持たなければいけない!」という気持ちが小学生なりにあったので「クラシック・ギタリストになろう!」と決めました。
G  高校卒業後、フランスの音楽学校に留学したとお聞きしました。海外での勉強は大変だったと思いますが、パリでの音楽生活はいかがでしたか?

O  当時、国内の音大にギター科がなかったので海外で勉強するしかなかったのです。ヨーロッパの中心パリを選びました。音楽の基礎(ソルフェージュ=音楽的に楽器を使って演奏するための楽譜を読む方法)を学び、3分間で楽譜を速読して歌ったり演奏する「初見演奏」、ピアノの音を聴いてそれをそっくり楽譜に書き取る「調音」をたくさんやりましたね。そして、2年後ぐらいにはコツを覚えて楽しくなっていきました。

G  留学して1年後には、コンクールに参加して世界最高峰とされるハバナ国際ギター・コンクールに出て数々の賞を受賞されていますが、私はLAに行った時に凄く挫折感を感じて日本に戻ったので、凄いなと思います。

O  そんな事ないですよ。僕は演奏していてへたくそだな・・・と毎回嫌になりますが、落ち込んだ時しっかり反省して、でも一晩寝たら忘れているのです。その時、楽天的な宮崎人でよかったなぁと思っています。コンサート終了時に自分の採点をするのですが、50点だったらお客さんに聞かせられるギリギリのライン、70点までいくことはなかなかないですね。

G  え~っ! 100点はないんですか?

O  ないですよ。100点だったら絶対に演奏辞めますね。
一音で天国へ連れて行ってくれる様に感動できる神の領域です。理想は日々高くなりますが、100点目指していつも精一杯弾いています。

G  私もアーティストとして通じるものがありますね。大萩さんは、今、先生としても教えていらっしゃるとお聞きしました。また、中学校の教科書にも載っていますよね。

O  毎年8月には、パリのコンセルヴァトアールで勉強した音楽家(フル―ト・ヴァイオリン・チェロ・ギター・ピアノ)で10日間限定でミュージックアカデミーを開いていて、生徒は10日間毎日レッスン受けられます。ヨーロッパ的ですね。 恐縮ですが、教育芸術社から出ている中学校の音楽の教科書に2010年から「ギターの姿勢」や参考音源のDVDなどで載せていただいています。

G  そんな世界的な演奏家の大萩さんと是非! いつかご一緒にさせていただけると嬉しいです。

O  宮崎のイベントなどでご一緒できるといいですね。楽しみにしています。

G  宮崎にいると夢を追えないという人たちが多いのではないかと思います。そんな事はないと思うのですが・・・。

O  僕はいつでも宮崎に帰りたいと思っています。東京という場所は、仕事があるからいるだけで、何も無いときは引きこもっていますよ(笑)。地方から発信できる事は、たくさんあると思います。発信し続けるという事が大切だと思います。宮崎の食や自然は財産です。普段いつも目にしていて気付いていないかも知れない宮崎の良さを自信もって発信し続けてほしいと思います。
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クラシック・ギタリスト 大萩康司
宮崎県小林市出身。高校卒業後にフランスに渡り、パリのエコール・ノルマル音楽院、パリ国立高等音楽院で学ぶ。1998年、ギター国際コンクールとして世界最高峰とされるハバナ国際ギター・コンクールにて第2位及び審査員特別賞(レオ・ブローウェル賞)を受賞。2000年にビクターエンタテインメントからCDデビュー。2002年から4年間、イタリアのシエナで開かれるキジアーナ音楽院でオスカー・ギリアに師事し、4年連続最優秀ディプロマを取得。2003年に行ったワシントン・ケネディ・センターでの初公演は、インターネットにより全世界に同時配信された。2004年第6回ホテルオークラ音楽賞、2008年第18回出光音楽賞受賞。


大萩康司 New Album
『NOCTURNAL』(ノクターナル)
YICC-60862 ¥3,000(tax別)

昨年は、ジョン・ダウランド生誕450年/ベンジャミン・ブリテン生誕100年/ウィリアム・ウォルトン没後30年、というイギリス作曲家のトリプル・メモリアル・イヤー。これを記念し、イギリス作品集をリリース!!大萩康司、約1年5ヶ月ぶりの新譜!!大曲「ノクターナル」、「5つのバガテル」はじめ、野平一郎氏編曲/世界初収録!の「スカボロー・フェア」、「アメイジング・グレイス」、「シェイプ・オブ・マイ・ハート」を収録!!

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