【KIRISIMA】Shochu Club Vol.114 金子 いくこさん
- 2018/12/16
- 今月のゲスト
- 【KIRISIMA】Shochu Club Vol.114 金子 いくこさん はコメントを受け付けていません
大切な人へ残す最後の思いやり
新しいカタチの贈り物
ワタシシルベ(遺言書)を全国へ発信
Monthly Guest vol.114
金子 いくこ
ワタシシルベ 一般社団法人日本ゆいごん書協会 代表理事
介護福祉士
Profile
宮崎市出身。高校時代に介護福祉士の資格を取得。卒業後、鹿児島県や福岡県で特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設に勤務。帰郷後は宮崎市内の整形外科医院でリハビリを担当。母親の他界を機に仕事を辞め父親が営むコンビニエンスストア業を手伝う。
3年後に父親が急死。お墓や相続のことなどに困り専門家に助けてもらった経験から、大切な人が亡くなった後、残された人たちが困らないようサポートできる場所をつくろうと「ワタシシルベ 一般社団法人日本ゆいごん書協会」を設立。遺言書に関する相談会やセミナー、ワタシシルベ(遺言書)の作成サポートなどをしている。1児の母。
「大切な人へ、自分が最後にできる思いやりを残しておきましょう」と話すのは日本ゆいごん書協会理事の金子いくこさん。金子さんが言う、最後の思いやりとは遺言書のこと。「自分の命が消えると、誰しも残し物がでてしまいます。遺言書とは『残し物の片付け』を頼むための指示箋です。残された人が困ることがないようにしておくことって、最後の思いやりになると思います」。
重いや暗いといったイメージにとらわれがちな遺言書を、自分が最後に贈る思いやりと捉え、「ワタシシルベ」と名付けた新しいカタチのギフトをつくった。それは、ワタシとシルベの2冊からなっている。「ワタシ」は「私」と「渡し」とをかけている。そこには、「私」が好きなことは何か、お墓はどうしたい、最期はどこで迎えたいかなど、70問の質問に答えるカタチで自分自身のことを記していくもの。
もう一つの「シルベ」は自分の道標であり、残された人が、残し物をどうしていけばいいかの道標という意味。そこには、戸籍謄本や家族構成表、連絡して欲しい人リストなどを記すようにできている。どちらも温かなイメージの真っ白にオレンジを配色したアルバム風になっている。
金子さんが、日本ゆいごん書協会を立ち上げ、「ワタシシルベ」を作ったのには、自身の経験がきっかけとなっている。父が急死したときに、相続のこと、葬儀のことなど多くのことに困り、行政書士である夫や専門家にサポートをしてもらって乗り越えることができたという。「『どうしてほしかったの』と聞きたくても答えてくれない。
最期の迎え方はあれでよかったのか、葬儀は、お墓は、どうしたかったのかな、とずっと考えてしまいました。相続のことなども、相談したいけどどこに行ったらいいか分からない人も多いと思います。安心して専門家に相談できる場所、終活について考える場所を作りたいと思い立ち上げました」。
日本ゆいごん書協会は、理事の金子いくこさんと行政書士の夫、司法書士で構成。「ワタシシルベ」の作成のお手伝いのほか、遺言書に関する相談会やセミナー、死後の事務手続きの支援事業などを行っている。金子さんは終活ライフケアプランナーとして「ワタシシルベ」の作成や生前整理のお手伝いをするほか、介護福祉士のキャリアを活かし、高齢者や障がい者の日常生活のサポートなどを担当している。
協会を立ち上げて3年目。夫と司法書士と助け合いながらの日々。息抜きに週末は飲みに出て、黒霧島を水割りにして乾杯。「黒霧島が好きですね。スッキリさがいいのかな」。この一杯で疲れがほぐれ、新たなやる気が起きるのだという。
「今後はより多くの人にワタシシルベを知ってもらうことが課題です。「『お母さん、遺言書は書いている?』とは聞きにくいけど、『ワタシシルベはもうできている?』と言葉を変えることで、聞いておかなくてはいけなくても切り出せなかったことが聞きやすくなると思います。
残される大切な人が困らないようにしておいてあげることは必要なことで、ステキな嬉しいことだと思うので」。この新しい文化を多くの人に知って欲しいと、「ワタシシルベ」には、白地にひなた宮崎のカラーであるオレンジを配色、宮崎から全国へ発信しています。
落ち着いた和の空間で
心ゆくまで
四季折々の料理に舌鼓
「どの料理を食べても美味しいと評判のお店です」と、今月のゲスト・金子いくこさんがオススメするのは、宮崎市中央通りにある「割烹 ひむか」。
カウンターやテーブル席の個室、掘りごたつの座敷を備えた店内は、木の温かみを感じるカウンターやひさしがある和風な雰囲気。ダウンライトで照明を抑えたゆっくりと落ち着ける空間で、店主・青山強さんが腕によりをかけて作る料理の数々が味わえる。
青山さんは「宮崎の地鶏や宮崎牛、地魚、野菜などを始めとした、四季折々のいいモノを、少しずつ、ゆっくりと味わってほしい」と器を彩っている。人気の「宮崎牛モモ肉のたたき」は宮崎牛本来の美味しさが口の中に広がる。
ほかにも自信作の刺身やおひたし、煮物、お吸い物がある。刺身は熟成魚を使い、鮮魚では味わえない旨みが楽しめる。この時期のお吸い物はマツタケや鱧が入り、出汁が香るやさしい味わいにホッと心が安らぐ。
コース料理も4000円(全9品)から3種類あり、美味しいお酒と一緒に楽しめる。これからのクリスマスや忘年会、新年会に訪れるとよさそうだ。
▲「佐土原ナスのおひたし」500円(税別)、「宮崎牛モモ肉のたたき」1800円(税別)、「海老真丈の揚げ物」1000円(税別)
割烹 ひむか
- 住所 宮崎市中央通3-10 竹村ビル2階
- 電話番号 0985-86-7311
- 営業時間 18:00~23:00
- 定休日 日曜日(月曜日が祝日の場合は営業)