「音」と「食」、2つの業種に全力を注ぐ
どちらも「人を幸せにするために」
Monthly Guest vol.45
濱元 貴子
音楽講師
株式会社TKK代表取締役
「0歳からできる音楽」を掲げ、自身もコンサートを開くなど音楽活動をしながら、子どもたちに歌やピアノを教えている濱元貴子さん。公民館などでの親子教室では、リズムを使った体の動きを通して、音感や表現力などを身に付けるリトミックを教えている。「音感は子どもの成長過程でとても重要なんです。スポーツにも勉強にもリズム感が必要。乳幼児のときからリズムを体で感じるのはとても貴重なことだと、教えながら自分が学んでいます」。
濱元さんの音楽教室は基本的に親子で通ってもらうことにしている。子どもに習い事をさせると決めたら、親もその覚悟を決め一緒に学んでほしいという思いがあるから。将来、社会へと巣立っていく子どもたちをどう育てていくべきか、音楽という分野を切り口に、子どもの成長について日々真剣に考えている。
音楽講師にぴったりのやわらかな雰囲気を持つ濱元さんだが、実業家という別の顔も持つ。2年前に株式会社TKKを立ち上げ、翌年には飲食店をオープン。毎晩お店に顔をだし、お客様にご挨拶をする。また、自ら新メニューの考案をしたりするなど、お客様に対する配慮に余念がない。まだ幼い2児の母でもある。もっと子どもとの時間をもつべきなのではと毎日ジレンマの中にいる。支えているのは自身が幼少だったころの記憶。両親も実業家で毎日忙しく働いていた。そんな両親に「私と仕事とどっちが大事」と言うこともあったが、両親の背中を見続けてきた。「親の背中から学んだことがたくさんあります。親はもっときつかっただろうなって思うとまだまだ踏ん張れるって思うんです」。
休日などない忙しい日々。そんな中ふと安らげるのは単身赴任の夫が帰省し2人だけで過ごす時間。焼酎を作ってあげ、それを飲みながら語り合うひとときは肩の力が抜けホッとできるという。
目標は「学び続けること」。限界は作らない。「子どもたちに教える以上は自分も学び成長し続けないと」と、人の役に立てるように自己研鑽に挑み続けている。
Profile
宮崎市出身。中学校まで宮崎で過ごし、鹿児島市の鹿児島純心女子高等学校へ。大学はフェリス女学院大学音楽部に進学。卒業後は宮崎に戻り音楽活動を始める。ピアノ、声楽で自身の演奏活動をしながら、子どもたちに歌やピアノを教える教室を主宰するほか、公民館などでリトミックを教える。一方、2011年に株式会社TKKを設立。翌年には飲食店「THE萬喰DINING」を宮崎市にオープン。2児の母。