ストリートで歌うオペラも素敵
宮崎を心に響く音楽が鳴る街に
Monthly Guest vol.26
黒木 あすかさん
ソプラノ歌手
宮崎市を拠点に活動する黒木あすかさん。柔らかく包み込むような歌声で魅了するソプラノ歌手だ。東京藝大を卒業し、その後丸6年間ヨーロッパ各地で学びながら、5つの団体のオペラに出演したり、ソロ・リサイタルなども行ってきた、広大な視野を持つプロフェッショナルだ。
帰国後、宮崎で活動できるのか漠然とした不安を抱えた時期もあったが、音楽は場所を選ばず自ら発信するものだという知人のアドバイスに勇気をもらった。ヨーロッパでは、街のどこからか音楽が聞こえ、それが街に賑わいを呼んでいる様子をたくさん見てきた。宮崎もそんな街になればと夢が広がった。「だから宮崎からの発信にこだわってみたいんです」。
黒木さんはストリートでもクラシックを歌う。川南町の軽トラ市では、雑踏の中で「アメイジング・グレイス」やオペラ「トゥーランドット」から耳馴染みのある曲などを歌った。すると、買い物客が足を止めて聴き入り、もっと聞いてみたいという声も聞こえてきた。オペラを知らない人でも、生で聞けば何かが響いていく手応えを感じた。
今年4月からは、宮崎サンシャインFMでパーソナリティも始めた。クラシックもたっぷり聞かせる3時間の生放送だ。セルフプロデュースのCDも制作中で、口蹄疫で失われた魂へのレクイエムや、これまで応援してくれた家族や故郷宮崎への思いを込めて、タイトルは「みやざきのハーモニー」と決めている。「今は『楽団ひとり』ですけど、もっと音楽の輪を広げていきたい」と語る。普段は喉に影響するため控えているが、お酒は強い。飲むと決めたらとことん飲むタイプで、「霧島」のノンカロリーサイダー割りが好き。「貧乏学生だったから、1カ月300ユーロの節約生活!」という涙と根性の裏話も付け加えつつ、音楽のある人生の楽しみ方を伝えている。
Profile
宮崎市出身。宮崎大宮高校から東京藝術大学声楽科へ。卒業後ロータリー財団の奨学生となり、イギリス王立ウェールズ音楽院大学院卒業。ヨーロッパ各地でソロ・リサイタルやオペラへの出演多数。2009年7月帰国し、宮崎市を拠点に活動中。宮崎サンシャインFM「モーニング・テラス」パーソナリティ(毎週金曜8時~11時)。
http://www.asukasoprano.com