住む人に寄り添う居心地のいい空間
家って、便利な道具なんです。
Monthly Guest vol.23
木脇 薫さん
建築士・インテリアデザイナー
「住む人の顔が見えるような家が造りたい」と語るのは、建築士でインテリアデザイナーの木脇薫さん。お話を伺った都城市の飲食店「ほっこり めし家」も木脇さんがリフォームした店舗で、客の目線を考えた照明や座りやすい椅子やテーブルの高さなど、きめ細かい設計が施された居心地の良い店になっている。
木脇さんは大学で、人の生活に注目して、依頼主の求める住空間を造り上げるという住居学を学び、卒業後は、設計事務所や大手ハウスメーカーに勤務して経験を積んだ。その後、夫の故郷である都城に来て9年。2児の子育てをしながら仕事と生活を楽しんでいる。営業も宣伝もしていないと笑う木脇さんだが、木脇さんが手がけた家や店を見て“ぜひ”と訪れる依頼者は少なくない。
木脇さんの垢抜けたセンスは子どもの頃から磨かれたものだ。父親が造船関係で海外赴任することが多く、赴任先へ旅行した際に見たヨーロッパの街並みやショーウィンドウが印象的だった。「ホームパーティなど家でくつろぐ様子も興味深かったですね。欧米の建築や文化に直接触れたのはいい経験でした」。もちろん、そんな特別な経験だけではなく、日々、積み重ねていく仕事が感性を磨くさらなる糧となる。年間5棟ほどを丁寧に造る「家造り」は、何よりも技術や知識の向上に繋がる。また、施工主や現場スタッフと飲む祝いの焼酎は、何より嬉しく、明日からの英気を養ってくれる。
今後、力を入れたいのは高齢者やハンディキャップがある方々の家。「建築を変えれば人助けになります。お客様が自分の居場所に求めるものを形にしたい」と思いを込めて語る。繊細でおしゃれなセンスと、真面目な仕事で、住む人を穏やかな気持ちにさせる家を造り続けている。
Profile
福岡県生まれ。熊本県立大学住居学専攻。設計事務所・大手住宅メーカー勤務を経て一級建築士の夫・義郎さんとともに都城へ。クライアントのライフスタイルに合わせた、トータルアドバイスのできる仕事を目指す。MRTインテリアコーディネーター講座講師としての経験もある。
●日興建設株式会社
都城市丸谷町4985
TEL:0120-304-234
http://www.sutekinasumai.net