撮りたいのは、そこにある空気感
溢れ出る思いを切り取りたい
Monthly Guest vol.18
酒生 明子さん フォトグラファー
フォトグラファーには、商業系と報道・芸術系の系統がある。宮崎市の写真事務所に所属する酒生明子さんは、タイムリーで臨場感溢れる報道・芸術系を得意とするフォトグラファーだ。いつも笑顔の穏やかなイメージだが、カメラを手にすると雰囲気がガラリと変わる。小柄な体が持てあましそうな大きなカメラを軽々と扱い、一時もじっとしていない。シャッターチャンスを見逃さない集中力で写真を撮り続けていく。東京でブライダルスナップを担当していた頃は、その腕を買われて、8年間で600件ものブライダル撮影をこなしたという。
酒生さんの写真との出合いは水中写真。趣味のダイビングをやるうちに写真も撮りたくなって撮影機材を揃えていったのが始まり。やがてブライダル撮影の写真事務所の立ち上げに誘われ、27歳にしてプロの道へ。
「年齢的に遅いスタートですが、その分人生経験を積んで、いい写真が撮れると師匠に言ってもらいました。それからは日々勉強会のようなもの。そこで“嬉しいレパートリー”をたくさん得ることができたんです」。それは、わくわくするほど嬉しい写真で、きれいだったり、いい笑顔だったり、最高のタイミングだったり。
自分が思い描くイメージを当てはめながら、人と人との空気感を切り取るドキュメンタリーが岸田さんが目指す写真。「その場にいる人たちの思いを感じながら追いかけていく感じですね。思いが響いてくる時はじっとしていられない」と言う。
現場を離れると結構な人見知りで、お酒は気心知れた友人とゆっくり飲みたい派。「命あるものと向き合っていきたい」という酒生さん。そんなオフタイムも次の緊張感へつながる大切な時間なのだろう。
Profile
東京都出身。OL生活を経て、趣味のダイビングから水中写真を始める。東京の写真事務所でブライダルスナップ、イベントスナップ等担当。個展・1997年水中写真展「Off」、2000年モノクロ水中写真展「ポナペ島」。現在、宮崎市の酒生哲雄写真事務所に所属。
●酒生哲雄写真事務所
宮崎市高洲町244-1 リエゾン501
TEL&FAX:0985-23-7305