太陽のような笑顔で
元気になるイタリアンを!
Monthly Guest vol.17
川口 奈菜さん シェフ
シーガイア近くの静かな松林に囲まれたイタリアンレストランピロー。店内では若いカップルも、子ども連れやおじいちゃんおばあちゃんのファミリーも楽しげに食事を楽しんでいる。シェフの川口奈菜さんはこの店を「本場のイタリアンを気軽に食べて元気になってもらうお店」と笑顔で話す。この笑顔をイタリアの師匠は「SOLE(ソーレ/太陽)」と言ったそうだ。小さい頃からお菓子作りが大好きだった川口さん。福岡の調理師専門学校に通う頃、アルバイトがきっかけでイタリアンと出会う。専攻はフレンチだったが、イタリアンの明るさに引かれた。その頃、兄・雅由さんもオーナーシェフとして宮崎市でお店を始め、そこを手伝いながら、21歳の時に半年間ドイツへ。戻ってきた時、新たに雅由さんが始めたのが今の店だった。
「兄とはよく話をします。イタリアで学んで、家族で働くという中で、家族の絆の大切さなどを考えるようになりました」。川口さんは30歳を期に念願のイタリア修行に出た。言葉はわからなかったが、電子辞書と本を2冊だけ持って、店から店へ無給の住み込みで働いた。そこで出会ったのがリゾットの神様と呼ばれるシェフのピエロさん。200人も入る人気店を家族だけで切り盛りしている。そこで大忙しで仕事をする川口さんに、ピエロさんは「そんなに頑張ったら楽しくないだろう?」と声をかけてくれた。
「お客さんが元気になる店は、自分自身も楽しみながら、笑顔でいられることで作られるんだなって思いました。生涯の師匠と出会えて幸せ」と言い、シェフの仕事がもっと好きになった。求めるものは限りなく、お酒は食事と合わせることを考えて、まずはそのままの味を試してみる。焼酎もストレートから始めて、氷を入れて変化を楽しむのだそうだ。いつもお客さんの笑顔を思い浮かべて日々研究中だ。
Profile
新富町出身。高鍋高校から福岡市の調理師専門学校へ。兄の雅由さんと一緒に店をやりながら、ドイツ、イタリアへ修行に出る。宮崎市でイタリアンレストラン「PILAW∴(ピロー)」で、料理はもちろん、小さい頃から好きだったというデザート作りは、その全般を任される等、シェフとして活躍している。
●PILAW∴
宮崎市阿波岐原町前浜4276-1255
TEL:0985-29-4091