幸せの種まきをしていきたい。
チンドン屋をごひいきに!
Monthly Guest vol.20
宮田 若奈さん 花ふぶき一座 座長
「枯れ木に花を。笑顔の花を咲かせましょう」という口上と共に、都城でチンドン屋の花ふぶき一座を率いる宮田若奈さん。派手な衣装でチンドン太鼓を鳴らして街を歩くチンドン屋は、宮崎ではあまりなじみがないだけに、イベント会場などに登場する一座のインパクトは大きい。
人間が好きで、みんな平和に暮らせるといいなと、子どもの頃から思っていたという宮田さん。やがて、人に笑顔と元気を与えることを「天命」と思うようになる。大学卒業後、就いた仕事での業績をあげながらも、常に色々なことに挑戦していた毎日。夫の隆さんとの出会いがまた、さらなる転機となる。新たに始めた司会の仕事の打ち合わせで出会ったチンドン屋と隆さんが意気投合。誘われるままに、週末、チンドン屋をすることに。そこで面白さを実感、もっと深くチンドン屋を知りたいという思いが次第に強くなった。
そうして修業のため戦後の全盛期から続くプロ集団に飛び込んだ。年季の入った一座の芸に衝撃を受け、さらにのめり込んでいくも、寂れゆくチンドン屋の様子も目の当たりにした。そこで宮田さんは、隆さんの故郷都城で一座を立ち上げる時「チンドン屋をずっと残る文化にする。特別ではなく、日常に必要とされるものになるために、芸を磨いて、常に変化し続ける」と決めた。
持ち前の営業力でイベント出演などを続ける一方、行政機関等の委員などを受け、市民団体などとも積極的に関っている。また、自宅の庭を解放して近所の子どもたちも我が子同様に見守る。出会い、つながり、街の賑わい。求めるものを突き詰めると、やっぱり「人が好き」に辿り着く。
夢は「都城から天下を取る」こと。芸を磨く仲間が欲しいことや一座の経営のことなど悩みもあるが、その道のりは見えていると言う。さて、その天下とは?毎晩たしなむという軽い晩酌のグラスを傾けながら、“花咲若奈さん”の夢を一緒に聞きたい気分になってきた。
Profile
都農町出身。兵庫教育大学学校教育学部卒業後、フェニックスリゾート株式会社入社。平成8年に結婚し夫の隆さんのいる大阪へ。翌年「花吹雪一座」、15年に隆さんの故郷都城で「花ふぶき一座」を立ち上げる。18年に全国選抜チンドンコンクール理事長賞受賞。以後毎年出場、現在も芸を磨いている。
●花ふぶき一座
宮崎県都城市志比田町4776-4
TEL:0986-26-3970
http://www.hanahubuki-ichiza.com