10月14日に行われた「Ocean’s Love」。
2005年から実施されているOcean’s Loveは今年で8年目の開催で、宮崎では初の開催となった。プロサーファーでモデルのアンジェラ・磨紀・バーノンさんを中心に行われた今回のサーフィンスクール。宮崎市青島の海で行われた今回のスクールには参加した子ども16人、ボランティア90人で行われた。障がいを持った子どもたちにも海の素晴らしさやサーフィンの楽しさを知ってほしいという思いからサーフィンだけでなく、フラダンスやフォトフレームつくり、バーベキュー等一日を通して思い出いっぱいのプログラムが用意されていた。アンジェラ・磨紀・バーノンさんにOcean’s Loveの感想や想いを語ってもらった。
●アンジェラさんがOcean’s Loveを始めようと思ったきっかけを教えて下さい。
私の兄に身体の障がいがあり、障がいがあるというだけで学生時代に学校行事に参加出来ない事があったんです。本人はすごく参加したいという想いは強かったのですが、学校側とは理解し合えない部分があって。私のお母さんは学校とも何度も話し合いを行っていて、それを見ていた私にも何かできないだろうかと思っていました。私が高校を卒業してハワイに引っ越した時にたまたまサーファーズヒーリングというワークショップが行われていたんです。それにボランティアとして参加した時、自閉症の子の手を引いてボードに乗せて一本いい波に乗りました。その子が私のもとへ戻ってくると、さっきまで目も合わせてくれなかったその子が笑顔で「ワンモア!ワンモア!」と言ってくれたんです。それがOcean’s Loveを始めようと思ったきっかけになりました。
●Ocean’s Loveをやってきての感想を教えて下さい。
Ocean’s Loveは一人の子どもに4人~5人のボランティアさんが、担当として一日一緒に付いて下さいます。過去に8年間やってきていますが事故なくやってこれたのはボランティアのみなさんのおかげだと思っています。それから、海に入って波に乗って戻ってきた子達はみんな笑顔で返ってくるんです。そんな子ども達の笑顔を見ると一瞬で心がピンク色になります。その笑顔を見たスタッフやボランティアさんも笑顔になるんです。まさに笑顔の連鎖反応ですね。Ocean’s Loveをきっかけにサーフィンを始めた子もいるんですよ。
●宮崎・青島で行われたOcean’s Loveはいかがでしたか?
宮崎で行われたOcean’s Loveも印象的な出来事がたくさんありました。当日、初めてなのに立つことが出来た子もいたんです。とても上手に立つ事が出来てもう少し波の状態が良かったらもっと上達すると思います。プロとして活躍しているライダーにも、一つの事に集中してしまう障がいを持った方がいます。だからその子もこれから練習をしてプロとして活躍出来る可能性があると思います。今回、サーフィンはもちろんですが、バーベキューやフラダンスも行いました。フラダンスは、今回Ocean’s Loveを宮崎で開催するという事を開催前にFacebookでアップしたら、ローカルのチームの方が「是非私たちのチームの子どもたちに踊らせて下さい」と連絡があり、踊って頂くきっかけになりました。
●これからも様々な土地でOcean’s Loveを開催されていくと思いますが、アンジェラさんの想いを教えて下さい。
Ocean’s Loveを通じて健常者も障がいのある方も平等に生活が出来る社会をつくっていきたいですね。理想は健常者の子どもたちが、障がいのある子どもたちと小さい頃から一緒に過ごす事だと思います。すると壁が無くなって平等に生活が出来るんだと思うんです。自分が五体満足でいる事に感謝の気持ちを表すというのもOcean’s Loveをやっている理由の一つで、普通に普通の生活が出来ることに感謝をしなくてはいけないと思っています。昔、クリスマスの時に私のお兄ちゃんに「プレゼントで何か欲しいものはない?」と聞いた時に、お兄ちゃんは「僕は何もいらないよ」と言ったんです。でも、「何かあるでしょ?」と聞くと「僕は毎日、起きた瞬間にまた今日も一日生きられるという事だけで十分なんだ」と言ったんです。普通だったら、今、流行っているものや自分の欲しいものと答える人が多いと思うんですが、そういうのがお兄ちゃんには一切ないんだと思いました。人生で一番大切な事は今生きていること。神様から頂いた命を100%大切に使うにはどうしたらいいかという事をお兄ちゃんから学んでいます。
●これから、Ocean’s Loveに参加しようと考えられている方にメッセージをお願いします。
私たちOcean’s Loveが新しい場所で開催するにあたって約束しているのが一回では終わらせないという事なんです。最初は私たちが開催しますが、回数を重ねるごとにローカルの方がメインとなってOcean’s Loveを開催して頂きたいです。その時は私たちもまた違う場所でOcean’s Loveを開催をしていきます。絶対に一回では終わらせずに何度も開催していきたいです。なんでも新しいことに参加するというのは勇気がいる事だとは思いますが、是非参加して、海の素晴らしさ、サーフィンの楽しさを知ってもらい、差別のない平等な社会を一緒につくっていけたらと思っています。