音楽を通じて私という人間に触れていただき、共感してもらうことで、
元気や勇気を提供できればと思っています。
三歳からピアノをはじめ、小・中学生のころには音楽の才能を認められ、海外演奏旅行に参加。幼少期より類い稀な作曲能力に定評があり、桐朋学園大学ピアノ科入学と同時にアルバムデビュー。現在までに30枚を超えるアルバムをリリースする傍ら、テレビドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)をはじめ、映画やCMなど様々なジャンルにおいてその音楽プロデュース能力を発揮する。また年間60本を超えるコンサート活動の中には、ヴァイオリニスト葉加瀬太郎氏プロデュースによる夏の音楽イベント『情熱大陸スペシャル』への参加から『学校・病院コンサート』といったライフワーク的なものまで様々。美しく人あたりのいい穏やかな人柄、幅広い活動、そしてテレビ番組でのピアノ講師の経験を活かした個性的なステージは、音楽の魅力を余すことなく伝えられるとして、年齢や性別を問わず多くのファンを魅了している。今回のインタビューでは、幼少時代やデビュー当時を振り返ってもらいつつ、独特の音楽観や最新アルバム『ビタミン』について、様々なエピソードを交え語ってもらった。
──3歳からピアノを始められたそうですが、そのきっかけを教えてください。
「近所のお友達が通っていたヤマハ音楽教室に『一緒にいかない?』って誘われたのがきっかけです。はじめて教室に顔を出した時、とても楽しい体験をしたのを覚えています。でも私は昔から手がとても小さくて、ほかの子ども達がスムーズに弾けるフレーズがうまく弾けなかったりして、いつも怒られていた記憶があります。だから自然に、技術的な部分ではなく、感覚的な部分に磨きをかけることを意識し『音』と接していたように思います」
──感覚的な部分を磨く作業とは具体的に言うとどのようなことですか。
「決して大げさな取り組みではなくピアノを弾くというよりは、ピアノを使って『音遊び』をするのが好きでした。特にハマったのが、いろんな絵本の各ページに音楽をつける遊びです。図書館でいろんな物語を借りてきてはページや場面ごとに音をイメージしてピアノを弾いてみる作業をしていました。そんな事を繰り返しているうちに、有名作曲家がつくった楽曲を誰よりもうまく弾くということよりも、自分で音を作り出すことに深くはまりこんでいくことになります。実は私は昔、かなりの対人恐怖症だったんです。幼稚園の頃から人前に立つとガチガチになって顔が赤くなり、何も話せなくなってしまんです。だから上手に友達をつくることが出来ず、いつも寂しい思いをしていました。だからピアノだけが友達だったんです。悲しい気持ちの時にピアノに向かいそっと音を出してみると自然と悲しいメロディーが出てしまうんです。そんな時『ああピアノだけが私の気持ちをわかってくれている』という気持ちになっていたのを覚えています」
──1986年、大学に入学されると同時にデビューアルバム『Angelique』を発表されましたね。
「実は高校2年生の時に、ヤマハ音楽教室でお世話になっていた方に『レコードを出しませんか?』とお誘いを受けて、単純に『自分が作った楽曲がレコードになるなんて素敵だな』ということからやってみようと思いました。リリースは1986年の大学入学後なのですが、レコーディングはリリース前年の年の高校3年生の夏休みにおこないました。確かジャケット撮影は冬休みだったと記憶しています。当時は今後の自分の進路にもプロ活動に関しても明確なヴィジョンなどまったくなかったので、どうせだから大学に通いながらゆっくり答えをだそうと考えたんです。でもやりはじめたらまったくそんな暇はなく、大学卒業までに計6枚ものアルバムをリリースしました。休日の記憶といえばレコーディングかキャンペーンですね」
──デビューから5年後には、あの有名なテレビドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)で音楽プロデュースを担当されましたね。
「ドラマの全編にわたりクラシック音楽が使われていることから、クラシックが弾けて、尚かつ『劇伴』(映画、ドラマ、演劇などで流れる音楽の演奏)ができるピアニストが必要だったらしく、たまたまプロデューサーの方からお声かけしていただき取り組むことになったんです。内容的には主題歌であるCHAGE&ASKAさんの『SAY YES』以外は全て私が手がけました。劇中で流れる音楽として40曲ぐらい作曲しました。浅野温子さんが涙を流すシーンで必ず使われる、ショパンの『別れの曲』も、プロデューサーさんと話し合って、いくつかの候補の中から決めたんですよ」
──リリースされたばかりの最新アルバム『ビタミン』について詳しく教えてください。
「このアルバムは、葉加瀬太郎さんプロデュースレーベル“HATS”移籍第一弾となりました。2006年に独立してから約3年が経つのですが、やはりこの3年間でひしひしと感じたのは、いろんな方々のご協力があってはじめてこうして立っていられるということでした。だからずっと、みなさんにどうやってお返しできるかを考えていました。そうすると、どんどんメロディが湧いてきたので、こんな形で湧いてきた『ありがとう』の元気がいっぱいつまった音楽をみなさんに届けられたらいいなということから『ビタミン』が生まれました。タイトルも、私の音楽がみなさんのちょっとしたビタミンになればと思いつけました。そんなことから、今回のアルバムのライナーの中に、こんなシチュエーションの時に聴いてもらいたいとか、月曜日から日曜日までのおすすめサプリなどを私が書いています。できれば音楽を聴きながら、そんな文章にも目を通していただけたら嬉しいです」
──本日はありがとうございました。これからも素敵な音楽を聴かせて下さい!
(撮影・取材・文/松田秀人 協力:Kinu~美のカリスマ)
力丸ヒロ子(力丸専務) インタビュー
ピアニスト西村由紀江 約2年ぶり、待望のフルアルバム!!
西村MUSICでみなさんにビタミンをお届けします!!
NEW ALBUM【ビタミン】 NOW ON SALE
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CD+DVD \3,500円(税込)
● 通常盤HUCD-10063
CD \3,150円(税込)
※写真は初回盤
≪収録曲≫
1 「ビタミン」
2 「優しい風」
3 「あの日のこと」
(BS日本「こころの歌」
エンディング曲)
4 「しあわせの花」
(「全労済」CM曲)
5 「砂漠と光」
6 「フロンティア」
7 「水の舞曲」
(コニシセイコー
「b:mist」CM曲)
8 「生きること」
(テレビ朝日SPドラマ
「肉体の門」テーマ曲)
9 「予感」
10「届けたい」
11「おやすみ」
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