仕事や恋愛、人間関係、子どもの教育にダイエット…生活の中でどうしても溜まってしまう「ストレス」。でももしそのストレスを今すぐなくすことができたら。そんな日常起こる悩みやストレスを軽減するストレスゼロテクニックを紹介した著書「ストレスは捨てられる」を今年7月に発刊した、NLP University認定グローバルトレーナー、グローバル・エクセレンス代表・田中ちひろ氏。最先端の心理学と称される「NLP(神経言語プログラミング)」をベースとしたストレスゼロテクニックで、これまでに25ヶ国籍、およそ6000人を幸せへと導いてきた田中氏に話を伺った。
田中ちひろ インタビュー 【田中ちひろ氏】NLPとは、1960年代の終わりにアメリカでできた人間科学です。物事がうまくできる人とできない人、また同じ人でもできる時とできない時の、その差はどこから出てくるのかというものを 脳や身体の使い方をベースに研究したものなんです。人は外の刺激に対して、五感を使って情報を収集し、あの人は感じがいいとか悪いとか言葉をつけて脳の中に整理しますよね。それをまた頭の中にある記憶とつないで、判断したり、行動を起こしたりする、そのメカニズムというかプログラムは人それぞれ違って、実はみんな無意識にやってるんです。そのプログラムを研究し、それが分かったら、それを今度は自分に有利なように組みなおす、それがNLPのそもそもの基本なんです。
──現在、イタリアのミラノに住んで18年になる田中氏。日本とイタリアという言語、考え方すべてが異なる生活によって当初はストレスを感じていたという田中氏が、NLPに出会ったのが12年前。アメリカでNLPを学んだ後、試行錯誤を繰り返しながら生まれたストレスゼロテクニックを初めて教えた相手は意外にもイタリア人だったという。
【田中ちひろ氏】あの陽気なイタリア人でも落ち込む方がいるんですよ!周りが明るいだけに落ち込む方は余計辛いみたいですね。長い海外生活を通して、日本人の真面目で調和を大事にする優しいところと、イタリアの雰囲気を楽しむ元気たっぷりの豊かなところ、アメリカの夢を見続けるパワーと行動力、この3つをバランスよく持つことができれば、かなり幸せなのではないかと思うようになりました。なので、私のセミナーはいつもこの3つを組み合わせるような形でやっています。イタリア、日本に限らず、世界中の方がこれには共鳴してくださいますね。日本の方には特に、ストレスをなくすだけでなく、イタリアの、日常生活から楽しみや輝きを見つけだす技、みたいなのを体験していただいています。
──英語、イタリア語、日本語の3ヶ国語を操り、国内外でトレーニングやセミナー活動を行っており、これまでも数多くの人と接する機会が多い田中氏が普段、人と接する中で心がけていることは?
【田中ちひろ氏】もうこれは習慣になっているんですが、人と話すときに絶対目線を下げないことでしょうね。誰でもそうだと思うんですが、初めて会う人と会話をするときって、変なことを言ってしまうんじゃないか、失敗しちゃうんじゃないかって不安になることがありますよね。そうやって自分の中で会話をするときって、人は人間の構造上、目線を下げるのです。だからまず、そういう会話をしないで、相手に周囲を注ぐためにも目線をあげる。オバマ大統領もそうですね。就任演説のときも、自分より低いところに観衆がいるにもかかわらず、彼は一度も下を向きませんでした。あれは目線を絶対下げない訓練をしていると思いますよ。
──田中氏にとって、好きな言葉や影響を受けた一言はありますか?
【田中ちひろ氏】世界的に有名なNLPのトレーナーの言葉ですが、「あなたの人生のクオリティは、あなたが与える意味づけによる」というのがあります。あなたがつらくなるのも悲しい思いをするのも、すべてあなたが周りの状況にどういう意味を与えるかによるということです。すごく衝撃をを受けた言葉でしたね。それまでは、自分の生活のクオリティってどちらかというと周りのせいにしてました。上司が意地悪だから自分は…とか。でもどういう情報を自分が拾って、それにどういう意味を与えるかは実は自分しだいなんですね。ある意味で、自分の責任ということなので、厳しい言葉でもありますが、自分を自由にしてくれた言葉でもあります。だから腹が立ったりしたときにはふと立ち止まって、「ちょっと待って!今の私の意味付けは?」って考えてみると、意外と自分の思い込みだったりすることに気がつきますよ。これは、ストレスゼロテクニックの、大きなヒントにもなっています。例えば、豆電球の発明で有名なエジソンですが、実は電気がついたのは実は1000回目、その前に999回電気がつかないという経験をしているんですね。で、発明後のインタビューで、その999回の失敗についてエジソンは質問されたのですが、それは「失敗」ではなく、「999回の電気がつかない方法の発見」だったと答えたんです。要するに、999回の発見だと思っていたから続けられた、つまり、それだけ、自分が物事に与える「意味付け」はすごい力を持っている、ということなんです。
──最後に、田中氏にとって「豊かな人生」とは?
【田中ちひろ氏】やはり、毎日ニコニコと笑顔で過ごせることでしょうか?イタリア人の「人生に恋して楽しむために生きる」、そういうライフスタイルでしょうか。そのためにも、「ストレスで悩む時間とエネルギー」はもったいないんです。私は電車の衝突横転事故で九死に一生を得た関係もあって、一人でも多くの方に、日々幸せを感じながら生きてほしい、そういう願いは人一倍強いので、この本もそんな願いをこめて書きました。
7月に発売された田中ちひろ氏の著書「ストレスは捨てられる」では『姿勢や目線を変える、頭の中で思い浮かべるビジュアルを変える、使う言葉を変える』の3つをコントロールすることでストレスをなくす脳トレーニング法を、これまでの豊富な経験や実例、また、イラストなどを交え、紹介している。誰もが抱えるストレスや悩みを、簡単になくすことができるテクニックで、ただ解消するだけでなく、あなたの日々の生活をより輝くものにできるはずだ。
京都府出身、イタリア・ミラノ在住。
「NLPユニヴァーシティー」のグローバル・トレーナーで、日本で唯一の「ディスタンス・ラーニング」の認定トレーナー。25カ国籍6000人を指導し、ほぼ全員のストレスを軽減させる。ストレス、エモーション、コミュニケーション、ライフバランスなどを人間科学NLPの立場からトレーニングする。その豊かな経験とノウハウを生かしたセミナーは各国で高い評価を受けている。2009年7月、著書「ストレスは捨てられる」を刊行。
http://www.global-excell.com
『ストレスは捨てられる』
著書/田中ちひろ 中経出版
1,400円(税別)
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