【Charge】SPECIAL INTERVIEW ~加藤登紀子~
- 2013/12/28
- インタビュー&レポ
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第21回火の国九州・山口
有機農業の祭典inみやざき
火の国九州・山口有機農業の祭典は、九州山口各県の有機農業生産者・事業者・消費者が一同に集まる催しとして毎年、各県持ち回りで開催されているイベントです。今年は宮崎での開催。今回の祭典には、歌手・女優の加藤登紀子さんをゲストに招き、「種のかたらい」というテーマでのトークセッションやコンサートがあります。そのほか、「種の交流会」や「懇親会」「夜なべ談義」なども。農業従事者だけでなく、どなたでも参加できます。お気軽にご参加ください。
加藤登紀子さんに訊く
なぜ、今、食をみつめなおすの?!
イベントへの思い
Q. 今回宮崎へのイベントに参加を決心されたのは?
食を取り巻く環境と言うのは、すごく問題がいっぱいになってきました。TPP、遺伝子組み換え、食品添加物、農薬のこと…。「大地を守る会」というのを、私の夫が作ったとき、生産する人とそれを食べる人が出会わなければいけないというのが目的にありましたが、今こそ本当にそういうのが必要な時代だと痛切に感じます。これからの時代は、持続可能な社会というか、ちゃんと土に根差した農業が続いていかないといけないと思います。今いろいろな面でオーガニック、農業の大切さがいわれるようになりました。若い人たちが農業に入って行けるシチュエーションを作りたいなと交流を深めてきましたが、今回は宮崎で実現できることになりました。
Q. 歌手・女優の活動をしながら、食・環境への取り組みもされています。
美味しい食材に出会い、それを料理して食べて、みんなで食卓を囲むというのは最高の時間で、美味しいという喜びは何にも変えがたいと思います。それは、音楽も同じ。音楽もいろいろな音楽がありますが、本当にいい音楽にたどり着けたときは、「これが最高だな」って思うんです。例えば人と人がアンサンブルをして、楽器と楽器を合わせて「いいハーモニーだね」と思うときの人と人との関係のあり方というのは、一人でいるよりさらに美しいものが作れたという、人の一番喜びとするところだと思うんです。音楽も美味しい料理を作るのも、「食べたい」「美味しい」という結果にたどり着きたくて、いろんなメロディーを探したり、言葉を探したりするわけで、音楽と料理が似ているというのが私の感じ方なんです。 農業と音楽は遠いところにあるように思われるかもしれませんが、農業をしている人が、フィールドに出て、種をまき、芽を育て、収穫する。本当に手間のかかる作業をしています。最後にどのくらい実るか分からないのだけど種を植えて育てるという、この営み方は、歌を作り、聞く人の中に種を蒔き、花が開くといいなということをひたすら続ける音楽。そういう点で農夫と歌手の仕事は同じだなとずっと思ってきました。
Q. どんなトーク&ライブになりますか?
土に命を咲かせていこうというテーマで作った歌もいくつかありますし、私の等身大の暮らし方から生まれた歌、震災以降も作ってきた歌があります。命を咲かせることをテーマに、歌も交えながらお話しをしたいと思います。2部では、12月4日に『愛歌』というこれまでに私が歌ってきた歌のベストアルバムをリリースしたのですが、その中から、今私が皆さんに一番伝えたい愛の歌をたっぷり聞いていただこうと思います。
虚構の上に築かれた暮らしの危うさが見事に暴かれたこの時代。 しっかりと大地に根ざした生き方を今こそ守り育てて行かなければとの想いを 強くしています。 私たちの体のなかにある「いのち」を育む力は土と同じ無限大の可能性です。 おおらかにのびやかにもっともっと生きることを謳歌しましょう。