m-flo/15年振りオリジナルメンバーで完全復活!!

2nd ALBUM「EXPO EXPO」で80万枚のセールスを誇る最強のトライポッド「m-flo」が「15年振り」にLISA・VERBAL・☆Taku Takahashi 1999年デビュー時のオリジナルメンバーで完全復活!!

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Q. m-floを再結成するきっかけを教えてください。

VERBAL「一昨年の年末に、毎年恒例のユニバーサル・スタジオ・ジャパンさんのカウントダウンイベント(『ユニバーサル・カウントダウン・パーティ』)で、☆Takuとm-floとして出る予定だったんですが、僕が直前に入院することになり、僕の替わりに急遽LISAが出てくれたんです。彼女とのライヴが盛り上がって、話題性も高まったことも大きくて。そこから、「また3人で音楽やろうよ」って話になっていったという流れですね」

☆Taku Takahashi「これは一度に決まったわけではなくて、ちょっとした流れがあるんですね。2016年12月15日に、J-WAVEのイベント『MUSIC FACTORY』クリスマスパーティーでLISAと僕が久々に共演しました。

司会はグローバーさん、共演者は佐藤竹善さんという場で、m-floの曲を演奏したんです。ファンのリアクションがあまりにも温かくて、僕もLISAも凄く感動した。「今後も機会があったら一緒にできたらいいよね」ってLISAと話しました。

僕もVERBALもいつか3人のm-floリユニオンやりたいって昔から話したりしてたんですが、この時点で「3人で復活したいな」とはっきり意識するようになりました。それをVERBALに話さないと、と思ってた時ですよ。

12月23日、VERBALの大事故。事態が事態だから、そのまま出演をキャンセルする選択肢もあったけれど、それよりもm-floとして何かできたらと考えたんです。そこで、LISAにピンチヒッターをお願いしました。

彼女も快く引き受けてくれたし、USJ側も応援してくれて、すばらしいライヴができました。2017年の年明けにVERBALのお見舞いへ行って、そこで「LISAと3人でm-floまたやらない?」って持ち出してみたら、実際彼も同じような気持ちでいたんです。

そこからも実際に再結成プロジェクトが動くまではいろいろと大変だったけど、実現できて凄く嬉しく思っています」

LISA「J-WAVE『MUSIC FACTORY』クリスマスパーティーは応募で当選したリスナーさんを招待したイベントだったんですけど、『Planet Shining』や『EXPO EXPO』の頃にいた顔ぶれが観に来てくれていたんです。

私は定番のファンの顔を覚えているから、今でも来てくれるんだと思って凄く嬉しかった。私はしばらく日本で活動してなかったので、もうファンは離れちゃったかと思っていたので。

でも、私たちを観てみんな泣いていた。Crying Crying Cryingって感じ! それを見て「凄く時間が経ったけれど、もう一回やらなくちゃならないな!」とミッションを感じたんです。

ソロのLISAを待っているわけではなくて、やっぱり3人のm-floを観たいんだっていうことが伝わってきた。今答えを出さないと、もう人生時間がないなと思いました」

Q. 3人での作業は、久しぶりな感覚がありましたか?

VERBAL「僕と☆Takuは「いつかLISAとはまたやりたい、また一緒に曲作りたいね」って常に話していたんですよ。『BEAT SPACE NINE』にもフィーチャリングしたり。

でも、お互いのソロ活動で時間が経っちゃって、今のタイミングになったんですけれど、気持ちとしてはいつも思っていました。でも、やっぱりスタジオに入ったら、LISAにしかできないことがあったり、m-floとして一緒にいるとしっくりきますね」

☆Taku Takahashi「VERBALは家で歌詞を作り込んで来るタイプだったんだけど、最近の彼はスタジオでヴァイブスを感じ取りながら書くようになっていたり、LISAもスピード感が上がったなあって感嘆させられたり。

ただ、面白く聴こえるやり方だったり、感情をどう入れていくか、という探求の旅をする根本は昔から変わっていなかった。あと、感じたのはやっぱり昔からの仲なので、いろいろと難しい説明とかいらずに話が早いな、って思いました」

LISA「時を経てみんな人生経験もより一層深まり、書いてきた歌詞に対しての説得力がとても強くなっている。凄くリアルである。この2つは楽曲にはとても必要なことで、歳を重ねるごとに楽曲の内容がよくなっていく。

これはプレシャスなことで、歳を重ねるっていいなと思いました。ふたりは変わらなくて、相変わらずのハッピーボーイズで(笑)、気がつけばVERBALがたまにコーヒーを持ってきてくれたり、ジェントルマンなこともしてくれる(笑)。

相変わらず楽しいって感じました。そして、いつでも彼らとはそれぞれの役割分担があって、それが違和感なく変わらずできたこと、〈loves〉の時もその感じに戻れたんだけど、今回はより一層戻った感が強い。「チームプレイが強くなったのかな」って思います」

Q. 2018年はデビュー20周年という節目の年。VERBALさんは多岐に渡る活動も展開されていますが、20年もラップし続けるって想像されていましたか?

VERBAL「ぜんぜん想像していなかったです(笑)。1990年以降のHIP HOPって副業するのがカッコよくて、PUFF DADDY(パフ・ダディ)がファッションやお酒のビジネスをやったり、RICK ROSS(リック・ロス)がシャンパンを売っていたり、SLIM THUG(スリム・サグ)が不動産ビジネスやったりして、それが盛り上がっている中で僕も音楽以外のビジネスを始めたんです。

でも、反感を買いました。事務所に所属していた時にも許可を得た上で自分の会社を立ち上げたけれど、「お前はラップ1本で嫁を養っていくと人に言えないのか?」とか言われて、「いえ、言えません」ってはっきり答えていましたね(笑)。

ラップで食っていこうなんて現実的とは思っていなかったので、アルバム2枚目までアメリカの大学院に通って、日本と行き来していたくらいですから」

Q. ☆Takuさんは、今回スタジオに入るまでの数年間で、クリエイティヴ面で大きく刺激を受けたものはなんだと思いますか?

☆Taku Takahashi「m-floって日本のJ-POPというフィールドに〈新しい風を吹き込む〉というのが裏テーマとしてずっとあるんですけど、それをどうしようかっていうのをここ4年くらい悩んだりしていました(笑)。

新譜を聴くのは楽しいけれど、半分情報リサーチ的になって、そこに少しあきも感じていたんです。それで、確か手塚治虫先生の言葉だったと思いますが、「いい漫画家になりたいのなら、一流の映画や音楽を知って、あえて違うジャンルのものを楽しみなさい」的なフレーズを言われていたのを思い出したんです。

そこから、僕は海外ドラマにハマッていったり、より世界情勢に目を向けて、日本にない刺激を求めるようになっていきました。ちょっと話がそれるんですが、僕は過去の作品を聴くことに対して、アレルギーが凄く強かったんです。

ダメだしが止まらなくなるから。でも、友人たちが昔の曲をかけてくれたり、僕のソロ曲からm-floの作品すべてを持っている友人から送ってもらって聴いてみたら、「思っていたより悪くないな」と感じられる瞬間が何度もありました。

再発見することから始まり、「この手法どうやったんだっけ?」と振り返ることにもつながったりして、以前と今とでは作り方が違うと気づいたことがありました。新譜ではなく、20年くらい前に自分たちが作ったものから影響を受ける。

これっていいことなのか悪いことなのかわからないけれど、自分の気持ちに正直になるのがいちばん大切だと思えるようになったら、なんかいろいろ吹っ切れて音楽がまた凄く刺激的に感じられるようになりました」

Q. LISAさんはソロでどんな活動をされていましたか?

LISA「かれこれ8年かな? いろいろな角度から疲れてしまって、同じサイクルでやり続けちゃダメだと思い、すべてのサイクルをストップしました。

と言っても、この7~8年間、活動してなかったわけではなく、最近であれば☆Takuとの英会話の「KIDS’ SONGS」(https://block.fm/news/lisa_kids)をやったりいろいろなところで歌うこともしていました。8年間の中での私の音楽はたくさんストックしているけれど、今それを聴き直すのは心が痛いからしばらくは大事にしまっておこうと思います」

Q. 今回の制作は、m-flo初期のアプローチと比べてどのように変化していますか?

☆Taku Takahashi「単純なところで言うと、使っている楽器とテクノロジーの進化によって、以前は楽器を使っていましたが、今はパソコンを使うことが多くなりました。

あと、当時より今の方がこういった音を作りたいとイメージした音に近づくのが非常に簡単になっています。つまり、16歳の男の子がBillboardヒッツのサウンドを簡単に作れちゃう時代でもあるんですよね。

逆に誰でも作れてしまうから、オリジナルを作るのが非常に難しい時代にもなっています。なので、自分の得意なところは何かといろいろ向き合ったりしながら、「今のサウンドを昔の僕が作ったらどういう風に作るか」と意識しながら今回は作っています」

VERBAL「決定的に今までと違うのは、3人とも大人になった。デビューしたての頃は、やりたいことを1曲にぜんぶ打ち込もう、トレンド関係なく自分たちの感じるままに作ろうという気持ちが強かったんですよね。

「オレ!」の部分が強かったし(笑)、相対的に全体を見られていなかった。でも、僕はいろいろなアーティストさんとフィーチャリングさせていただいたり、m-floとして〈loves〉シリーズをやったりするなかで音楽以外のことも経験してきたり、☆Takuも制作で言うと映画やドラマのサントラやったり『block.fm』をやったりして。

それぞれに特別な経験を積み重ねてくると、「AじゃなくてBでもいい曲作れるよね」って気持ちになれた。今は余裕を持って、俯瞰して曲作りができるようになった。そして、今回LISAと☆Takuとスタジオに入ったら、やっぱり特別なフィーリングを改めて感じました。

やりやすいとかそういうことよりも、「これだ!」みたいな、しっくり感。 この3人だから思ったことを言い合える、気兼ねなく素が出せるところはやっぱりいいなって。LISAの場合、やっぱりバンドメイトって言葉が正しいかな。

もちろんリスペクトする部分は大きいですし、LISAのことも立てていますよ(笑)。僕個人だと、スタジオへ行ってからフィーリングでリリックを考えることが多くなりました。

スタジオでアーティストやスタッフと話してから言葉を考える方がリアルな歌詞が生まれやすかったりするのかなと思っています。LISAが僕によく「VERBALのラップって、最近ワンパターンじゃない? 昔みたいにブッ飛んだこと言った方がイイよ」って言うんですよ。

それで、自分のリリックノートとか使わなかった歌詞のストックを見返したら、昔は良い意味で変な感じがあったと思えたので、リリックの書き方も初心に戻って書くようにしています」

LISA「みんな大人ですから、お互いがリスペクトし合う気持ちも高まってるし、ここからここは踏み入れないといった暗黙の了解もあるし。

ふたりともDJだったりPKCZ®︎だったりと別の仕事があるけれど、私としてはこっちに向いて欲しいなって思う時もあるんです。m-floだけを見てくれないかなって。なぜ私がそう感じるのか。それは、やっぱりここがホームグラウンドだから。

グループに対する愛情が強くあったんだなってよくわかりました。今回、それを改めて再認識できたので、ふたりにもっと振り向いて欲しいんです。彼女みたいなもので「こっちに戻ってきて」っていう役割になってきたかなと思っています。

以前はそれが☆Takuちゃんの役割だったんだけど、今度は私が彼女じゃなくて、お母さんみたいになっています(笑)」

Q. 楽曲についてもうかがいたいんですが、映画『去年の冬、きみと別れ』の主題歌になっている「never」はどのような想いから作ったのでしょうか?

☆Taku Takahashi「映画のプロデューサーの方からバラードのリクエストをいただきました。映画の作品の中で流れるものなので、そこにフィットするもの、それも僕らができないことではなく、僕らが持っているものの中でその映画にフィットするところを考えて作りました。

脚本も読ませていただきましたが、LISAが脚本を読んで早いうちに映像も観ていたんです。映画の作品性を把握したLISAからアイディアがどんどん出てくるから「それで行こうよ」という感じで進みましたが、実は「never」の前に1曲作っていたんです。

監督も映画サイドのチームも気に入ってくださったんですけど、ワルツのイメージが映画に合わなくて、ストレートなバラードに作り直して「never」ができ上がりました。王道バラードっぽくみえるけどVERBALのラップのパートではUSAのビルボードライクな提案を入れたり、捻りは入れています。作業時間はなんだかんだ1ヶ月くらいやっていましたが、実時間は2週間くらいかな。

アイディアが降ってくるっていう表現があるけれど、僕はやり続けてやり続けて、試して足してや引いてまちがってと、繰り返して「これだ」って思う瞬間が来る。こんな風にやり続けないとたどり着かないんですよね」

Q. 映画『去年の冬、きみと別れ』を観てどのような感想が出てきましたか?

☆Taku Takahashi「いろいろと人の気持ちって複雑だなっていう。でも、恐怖だけじゃないような気がするんですよね、僕」

VERBAL「ネタバレになっちゃうのであまり言いたくないんですけど、過去のことを切り離したらもうちょっとピースな結末なんじゃないかなって。過去のことは過去のこと、先に進んでいけばそんなことはしなくてよかったのにという意味では、僕らの「never」とつながるように感じます」

Q. バラードですが、歌詞の世界観を教えてください。

LISA「いろいろな形に解釈できる歌詞にはなっていると思いますが、私はm-floへ送ったラヴソングとして書きました。冒頭から〈全てを許して〉と言っているくらいなので(笑)、彼ら(VERBAL、☆Taku)に向けた私からの1曲ですが、m-floからファンの方に向けた曲でもあります。自然と出てきた素直な気持ちを表現しているので、リスタートらしい曲だと思います」

VERBAL「テーマとしては、戻ってきたLISAと僕たちとの会話みたいなのがあります。それを恋愛っぽくして、私から離れて行ったのにまた受け入れてくれますか? みたいなのに対して、僕がアンサー的に過去のことはもういいからというような答え方をしています」

Q. 「No Question」はどのような想いで制作したのでしょうか?

☆Taku Takahashi「今回はいわばリブート的なところがあるので、どういったものがm-floのLISA が帰ってきたかと感じてもらえるか。その答えが見つかるまでに凄く時間がかかりましたし、悩みました。

LISAがいた時代があって、〈loves〉シリーズの時代があって、その後にポスト〈loves〉の時代がある。それぞれの時代のm-floが好きっていう、m-floマニアがいて。だけど、結局僕らがm-floなのでっていうところで取り組んでみようと。

簡単に言っちゃえばフューチャーベースと言われるようなジャンルだと思うんですけど、でも絶対にこの曲はフューチャーベースじゃないんですよ。フューチャーベースを作る時に使うべき音じゃないものを使う、使われない音をいかに使うかっていうのを入れたりして、凄くこだわりました。それって凄くm-floなんだなって、m-flo感があるんですよね」

VERBAL「今回の「No Question」って〈君だけだよNo Question。当たり前じゃないか。間違いないよ〉みたいな質問するまでもない、という意味なんですけど、そういう恋愛チックなところのテーマから始めて。

そこからLISAも求めていたm-flo方式の、僕が明後日の方向からラップを入れたら面白いかなと思ってできた感じの曲です。僕は基本的にぶっ壊そうと思って書いてるんじゃなくて、面白いなって思って書いているんです。

絵画でも、キレイにまとめるより様子がおかしい方がアートじゃないですか。ブルーでまとまっているところを、右端に赤でちょんってある感じが、「これは何の意味があるんだろう?」みたいな。そう思わせるようなガス抜きのエッセンスを入れるのが好きなんです。思ったことをリリックにして、現場でLISAに当てたら、凄いトランス状態になったので、これはいいかなと。

「never」で「私もう自分の全部を注ぎ込んだから、疲れたから帰る」と気合いを入れて歌ったLISAの話を聞いて、僕もそれぐらいLISAが爆笑できるような、☆Takuも「キタね」って言ってくれるような歌詞を書きたいと思っていたので、やっぱりみんなの反応を見ながら書いてよかったなって思っています」

LISA「〈Welcomeback m-flo!〉と感じていただける曲だと思います。聴きどころはVERBALのラップ! 私の歌は負けたと感じたので、☆Takuに言ったんです。「私のパートを削ってでもラップのパートを増やして」って。

そのくらい大好き。スタジオで「イェーイ!」と立ち上がっちゃいましたから(笑)。VERBALは私の中で彼の右に出る人はいないと思える最高なラッパーだけど、カッコいい路線に走りすぎていたので、もっと激しく音葉遊びをして欲しかった。

時にはクスッと笑える、人を楽しませるラップをして欲しかった。なので、この曲のラップを聴いて「節が戻ってきた!」と思い、私のパートを減らしてと言ったのですが、☆Takuがバランスよくまとめてくれました。☆Takuもすばらしい仕事をしていると思います」

Q. 最後に、今作に興味を持ってくれた方へメッセージをお願いします。

☆Taku Takahashi「m-floは今年デビュー20年目突入で、15年ぶりに初期メンバーと復活できたことを凄く幸せに思うのと、それを待ってくれている人たちがいること、さらにここからまた新しく出会える人たちに会える機会をいただけたことを本当に感謝しています。その感謝の気持ちを少しでも曲で出していけるようにがんばるので聴いて欲しいです」

VERBAL「今回、『the tripod e.p.2』というデビュー作につながる名前にしたのも、久しぶりにLISAと再始動する、改めて三脚を立てるという気持ちからつけました。m-floというグループを初めて知る方には、「なんだこのグループ?」といい意味で思っていただけますし、今まで待ってくれたファンの方にも「待ってました!」と思っていただけるような作品になっていると思うので、楽しみにしていてください」

LISA「m-floに戻らせてくれたファンのみなさんに感謝しています。そして、受け入れてくれたスタッフ、メンバーに感謝しています。その気持ちが詰まった『the tripod e.p.2』になっていますので、ぜひ聴いてください」


2018年3月7日(水)発売
the tripod e.p.2
[CD+DVD]RZCD-86505/B \2,000+税
[CD]RZCD-86506 \1,200+税

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